何年も前から気になっていたけど、ずっと目を背けていた睡眠時無呼吸症候群…
これを要因としたバス、自動車、電車、トラック等々、交通機関の事故などあって、中々言い出せない病気です。
私自身も運転をするので、もしも病気であり、それが会社にばれてしまったらとの思いがあり、中々、病院を受診することをためらっていました。
しかしながら、50歳になるのを前に、やはり人生、健康で長生きしなくてはとの思いと、何よりも、自分が睡眠時無呼吸症候群によって事故の加害者となってしまってからでは取返しがつかないと思い立ち、今回初めて向き合うこととしました。
皆さまも、同じような思いの方がいるかも知れませんが、私は今回、病院を受診して、治療を開始して本当に良かったと思います。
大げさかも知れませんが、治療によって熟睡出来るようになったことで、今までとは全く違う生活を手に入れることが出来ました。
受診を躊躇われている方がいましたら、心底、受診することをお勧めします!
簡易検査
実は、2年前にも一度思い立って、簡易検査を行いました。
簡易検査は近所の耳鼻科で申し込みを行うと、すぐに業者の人が来て検査キッド一式を届けて検査方法の説明をしてくれました。
「睡眠時無呼吸症候群の検査をしてます」ってポスターが貼ってある病院なら、どこでも良いです。簡易検査なら、ネットの検索では出なくても、いつも行く病院が取り扱ったりしてます。
とにかくポスターです!
そして、2日間の夜間の就寝測定…
指先に血中酸素を図るパルスを取り付け、鼻にも呼吸を感知するセンサーを付けて、いびきやら呼吸を測るそうです。
その後、検査キッド一式をまた業者が回収に来て、後日、耳鼻科の先生が結果を見て診断してくれるというものでした。
簡単に言うと、AHI(=無呼吸低呼吸指数)といって、就寝している間、1時間につき、どれだけ無呼吸の状態があるかというものでした。
ちなみに私は、10~15。
そして、「重症ではないものの、睡眠時無呼吸症候群が無くはない。日常生活支障がおよぶようならば…精密検査を…」との診断結果。
(微妙な判定にスッキリしませんでした…)
少しおかしくなってきたぞ…
しかしながら、最近になって日中に眠気があることがあったり、休日の日中もふとしたら昼寝してしまったり、何よりも家族から「いびきが地響きのようになってきた」「呼吸が途中で止まっている」等々…
これぞ、睡眠時無呼吸症候群と言える症状が次々と…
若いころから、夜中に呼吸が苦しくて慌てて起きることがありましたが、最近になってそれが更に頻繁に起きるようになって来た。
今まで目を背けて来ましたが、恐る恐るネットで調べると…
睡眠時無呼吸症候群によるリスクが高まる怖い病気として、心筋梗塞、不整脈、脳卒中、高血圧等々…
小心者の私を、病院に向かわせるには十分過ぎる内容でした。
睡眠クリニックを受診 その際のポイント(せこいですが)
そして…
ここポイントです!
2年前に簡易検査をした耳鼻科に電話で聞くと、精密検査をしてくれる病院に紹介状を書いてくれるそうです。
当然、紹介状なので一度耳鼻科を受診する必要があり、紹介状はお金もかかります。
なので、私はネットで市内にある睡眠クリニックを探し、直接電話して予約しました。
(精密検査まで行うクリニックは少ないので、すぐに見つかります。)
受診してみて驚いたのは、老若男女を問わず、実に多くの患者がいて、「睡眠」というモノに本当に悩みを抱えている人が多いのだと思いました。
まだ10代前半とみられる子供も、親御さんと来院していました。
また、睡眠時無呼吸症候群は、肥満の人ばかりでなく、痩せている人でも対象となると言われていますが、実際に受診されている方々も、痩せている人の方が多いような印象を受けました。
私自身、年相応に下っ腹が出てはいますが、身長170センチで体重は60キロ台とそんなに肥満ではないと自分では思っています。
専門医での初診
そして初診の日…
私の場合は2年前の簡易検査の結果を持って行ったため話が早く、すぐにドクターとの問診に入りました。
聞かれることは「夜息苦しくて目が覚めるか」「昼間の眠気」「寝汗」「起床時の頭痛」から「食事」「飲酒」「運動」、そして「仕事の内容」「生活習慣」等々…
質問項目がとても多く、多岐にわたり、それだけで20分近くは要したでしょうか。
そこから驚いたのは、私の顔の形、あごの形、舌の長さ、舌の形等々見るために、左右を向かされたり、上下を向いたり、舌を出したり…
それを、ドクターがパソコン上に専用のパットとペンを使って、スケッチしていくのです。
(特徴だけをスケッチしていくのですが、ドクターの絵は、お世辞にも上手くない… っていうか下手! 内心、それなら写真を撮れば良いのにって思いました…)
診断結果として、私の場合、舌が厚いのと、あごの形が小さいのと、加齢のせいもあって、就寝中、舌が喉を塞いで無呼吸状態になり易いとのこと。
(それなら下手なスケッチではなく、写真で良かったんじゃないかって思いました…)
そしてすぐに、一泊での精密検査を行うこととなりました。
一泊での検査
一泊なので仕事が気になりましたが、私のかかった病院は、金曜日の夜に夕食を済ませて、18時までに入り、翌日土曜日の朝には帰れるので、仕事を休む必要はありませんでした。
ただ、さすが精密検査だけあって、とにかく全身のあらゆるところにセンサーが取り付けられ、それらが外れないように包帯状のネット等でぐるぐる巻きにされます。
(センサーを付ける場所には、何かにゅるにゅる、ベトベトしたゼリーのようなモノを塗られるので、それが何とも気持ち悪い…)
当然、頭にも沢山のセンサーが付けられるので、頭もにゅるにゅる、ベトベトの上、最後に銀行強盗のように、目の部分しか開いていない包帯のネットを被せられます。
(私は髪の毛が薄く、いさぎよく坊主のように1ミリカットで頭を丸めているので、スムーズに作業が進みましたが、普通に髪の毛がある方々は苦労するだろうな~って…)
一方で、髪の毛が薄い人にありがちな通り、私は体毛が多いです。
なので、胸や足にセンサーを取り付ける作業は大変だったようで…
一度センサーを付けては、その反応が無いらしく、何度も何度もやり直すことに…
そんなこんなで、約30分近くの作業がおわり就寝。
翌朝、起きたらセンサーを取ってもらい、シャワーで全身のベトベトをとってから着替えて帰りました。
そんな状況なので…
いつも以上に寝付きが悪く、熟睡なんて、とても出来ませんでした…
C-PAP
検査結果が出たので病院に行くと、やはりAHI(=無呼吸低呼吸指数)は非常に高く、治療を要する睡眠時無呼吸症候群との診断…
さっそく、C-PAPという機械による治療を行うこととなりました。
C-PAPの治療とは、私の場合だと、舌がデカくて就寝中に落ちて来てしまうので、それによって塞がった気道を、機械で鼻から空気を送り込んで拡げることで、睡眠中の無呼吸を防止するものだと説明を受けました。
私の場合、帝人さんの機械を使うこととなりました。
(先ず始めに装着した時、娘から「ダースベーダーだ」と笑われました…)
基本的に毎月病院に通い、その使用状況を報告することで、4,300円くらいの診察料を支払いますが、その中に帝人さんからの機械のレンタル料や、器具が破損した時の交換を無料でしてくれるなど、全て面倒見てくれます。
最初のころは、中々上手に使えずに、夜中に無理矢理チューブを外す際にちぎってしまったり、マスクの一部分を無くしてしまったり…
(とにかく、寝ている最中の無意識の行動なので、自分でどうにか出来るものではありません…)
そして最近では、週に1度の洗剤での手入れが下手なのか、チューブが少し匂って来たり、マスクが匂ってきたり、交換のフィルターを無くしてしまったり…
そんな時、頼りになるのは帝人さん!
365日、年中無休でフリーダイヤルで、その様なトラブルに対処して頂けます。
すぐに新品のチューブ、マスク、その他もろもろを郵送で送ってくれます。
また、電話しなくとも、チューブ、マスク等は、年に1回は新品のモノが送られてくるそうです。
市販でC-PAPを売っているようですが、このランニングコストを考えたら、どっちがお得でしょう?
しかも、毎月の4300円は医療費控除が適用されます。
そして、その効果は?
睡眠クリニックに通い始めて、またC-PAPを使い始めて、早1年…
毎月、C-PAPに入っているSDカードを持って通院します。
そして、1ヶ月間の睡眠の様子、主にAHI(=1時間につき、どれだけ無呼吸の状態があるか)の様子をグラフにて示して貰い、ドクターとの問診もあります。
驚いたのは、AHIの平均値がなんと1台へ! 2まで行くことはありません!!
今まで、あれほど高かった数値が、こんなにも下がるなんて…
身体にも明らかに変化が出てきました。
日中の眠気が全く無くなりました。
そして家族から言われたのが、いびきが全く無くなったと…
こちらも”全く”だそうです!
寝ている最中、息苦しくて途中で起きてしまうことや、寝汗を大量にかくことも無くなりました!
なんて素晴らしいのだC-PAP!
最初に看護師さんが、「始めは違和感があるかも知れませんが、その内、手放せなくなりますよ!」と言っていたことが思い出されました!
そして先月の通院時にドクターが教えてくれたこと…
「C-PAP着けてると、二日酔いしないだろ…」
確かに!
前日にかなりの量のお酒を飲んだ日も、翌日の朝はスッキリ!
問診時に、毎回、飲酒の量や飲酒の日数を聞かれる内に、ドクターもお酒好きだとわかり合えたので、二日酔いの話を笑ってしてくれました。
何と、電話での診療も可能です!
特例ですが、オミクロン株のコロナウイルスによる感染拡大が怖くて、不要不急の外出を控えるようにしています。
それは睡眠クリニックも同じでして。
そこで嬉しいサービスです。
最近では、電話による問診でも良くなり、通院する必要がなくなりました。
(診療代金は、次回まとめて徴収されます)
クリニックに電話して、自分の診察券の番号を伝えた後、健康保険証の番号を読み上げます。
先生の診察の合間に行われますので、時には待たされますが、事前に血圧、体重を測っておけば、電話にて先生の問診が行われます。
そこで驚いたのは…
今まで、毎月持参したSDカードなのですが、どういう仕組みか分かりませんが、帝人さんのC-PAPの1か月間のデータが、病院に送られていて、私の使用状況が先生が把握出来ているのです。
確かに、C-PAPの電源を入れると、スマホみたいにアンテナが三本立ったりしますので、何等かの無線で毎日データが飛んでいるのでしょうか。
素晴らしい!!
これならば、電話での診療でも、こちらも安心出来ます。
世の中、色々な健康法や食事法があり、私も色々と試していますが、やっぱり一番大事なのは「睡眠」と「呼吸」なのだと、何よりも実感出来た体験記でした。
(おしまい)
本日もお読みいただきありがとうございます。