先日、子供の算数の宿題を見ていて、その内容に疑問に思うことがあった。
それは、数字の桁に付けるカンマ…
大きな数を読み易くするために一定の“桁”ごとに付していくのだが、そのルールが学校で教わることと実社会での常識とで異なることだ。
小学校の算数では4桁単位でカンマを付すよう教わる。
よって、一番始めにカンマを打つのは1,0000(1万)だ。
一方、実社会では3桁ごとにカンマを付して行くので、一番始めのカンマは1,000(1千)である。
レシート・領収書しかり、注文書・受注書しかり、小切手や手形しかり、決算関係書類しかり、…パソコンでの変換候補ですら、3桁ごとのコンマが表示される。
私がその違和感を初めて体感したのは、喫茶店でのアルバイトの時であった。
レジスターに入力した金額は3桁ごとにカンマが表示される。
また、伝票の締め上げに使う電卓も3桁ごとにカンマが表れるし、それを帳簿に記入する際も3桁ごとにカンマを付して記入する。慣れるまでは、常に違和感を持っての作業であった。
就職して社会に出ると、目にする数値は更に大きなものとなり、慣れるまでに苦労した。
今まで学校で習った4桁の表示ならば、100万円であればカンマは万円のところにあるので、コンマより前に100とあれば100万円であり判り易かった。
しかし3桁ごとのカンマでは、100万円であれば“1”のすぐ右側にカンマが付き、次にカンマが登場するのは10億円となる。
カンマの位置と“千”“万”“億”といった桁の呼び名が変わる位置と一致していないのだ。
どう考えても4桁ごとのカンマの方が数字を読解する上でラクであったが、実社会で仕事をして行くには3桁のカンマに慣れるしかなく、今ではすっかり3桁カンマが“普通”になった。
それでは、学生時代に教わったものは何であったのだろう…
算数や数学という学問を学ぶ上では良いのかも知れないが、どうせなら実社会に出てから役立つものを学びたかった…
義務教育というのは、学問を追及するというよりは、広く一般常識を身に付けて社会に出るための教育と思うのだが…