私が40歳になった頃の話です…(10年くらい前)
私は中学生の頃から“ねこ背”であった。
親からも度々注意され、それでも直さないため、ねこ背を矯正するサポーターなるものを付けさせられた時もあった。
そこまでされたのに、私自身に直そうという意欲が全く無かったため、40歳になってもねこ背で姿勢が悪い。
ねこ背が健康にも悪いことも、散々知ってはいたのだが…
そんな私を一大奮起させる出来事が起きた。
それは、長女の幼稚園で行われる父親参観会に向かう時のことだった。
私は長女をママチャリの後ろに乗せて、のんびりと自転車をこいでいた。
私と一緒に自転車に乗ることが珍しいのか、後ろの席では長女がはしゃいで、右へ左へと体を揺らしている。
私は、バランスを取るために、ゆっくりゆっくり慎重に自転車を進めていた。
すると後方より「あらぁ、おじいちゃんと一緒で楽しいわねぇ」との声が聞こえ、女性が自転車で近づいて来た。
そして私達の自転車を追い越しながら、後ろの席の長女に笑いかけると、直ぐにその前にいる私を見て驚き、「あら…失礼…」と、スピードを上げて去っていった。
人生で初めて“おじいちゃん”に間違えられた私は、相当のショックを受けた…。
しかしながら、その数分後、またまた後方より「おじいちゃんと一緒で楽しいわねぇ」と声を掛けられた。
今度は私の方から振り向き、声の主を確認すると、私と目が合ったその方は、「すみません…」との言葉を残して、あっと言う間に私達親子の自転車を追い越して行った。
私は薄毛であり、自転車ものんびりと漕いでいた。
しかしながら、同世代でも同じように薄毛や頭が真っ白な友人も多くいる。
その日に着ていた服装だって、どちらかというと若者が着るような派手ものである。
それなのに1日で2度も“おじいちゃん”と間違われた…
これは偶然ではなく後姿が完全に“おじいちゃん”なのだろう…
自宅に帰ってその一件話すと、妻と長男は腹を抱えて大笑い。
二人に“おじいちゃん”と間違えられるなんて嘘のような出来事を、長女が「パパ、おじいちゃんって2回も言われたんだよ~」と笑いながら証言し、更に皆で大爆笑。
散々笑われた後に、妻が一言…
「姿勢が悪いから、おじいちゃんに間違えられるんだよ! お・じ・い・ち・ゃ・ん!」
確かに年齢に関係なく、姿勢が綺麗な人は、幾つになっても若く見える!
私は直ぐに書店に向かい、「ねこ背がスッキリ直る本」という書籍を購入してきた…