一般的に“頭の良い人”とはどんな人物をイメージするのであろうか?
やはり、有名大学の出身であったり、難しい資格を沢山持っている人を思い浮かべてしまうのだろうか…
私の思う“頭の良い人”を一言で表すならば、“バランス感覚に優れた人”である。
自分が従事する仕事の知識や技術を有していることは、そこから得る報酬で生計を立てている限り当然のことである。
ただ、それと同じ位、いや、それ以上に常識力やコミュニケーション力、折衝能力などが必要だと、私は考える。
新型コロナの影響で、就職活動が大変だと聞く…
その様な中「資格さえ持っていれば…」と思いがちであり、そのような広告も多く見られる。
週刊誌では、有名企業への就職率の高い大学のランキングを、毎年特集している。
しかしながら、そのように資格を沢山持っていることや有名な学校を出ているだけでは、私には“試験が得意な人”としか映らない。
私には、「カラオケが上手い」「サッカーが上手い」「ギターが弾ける」といった、特技の一つと思ってしまう。
個々の能力や特技に違いはあるが、最も大切なのは、いかに周りの人達と上手くやっていけるか、それを自分の人生や仕事に活かしていけるかだと考える。
周りの人達と常識を持って接し、コミュニケーション力と折衝力を発揮して、自分の得意なものを他者に提供する。
代わりに、自分に不足するもの、自分が不得手とするものを周りの人達に補完してもらい、結果として人生や仕事を上手にやっていける人物が“頭が良い人”の様に思う。
いくら難しい資格や専門知識を持っていても、常識が無く、コミュニケーション力や折衝力が欠けていては、それはいつまでも表に出ることのない潜在能力でしかない。
挨拶出来ない人、お礼が言えない人、敬語が使えない人、目を合わせて会話が出来ない人、電話が鳴っても中々出ない人…
いつも溜息ばかりついている人、愚痴や文句ばかり言っている人、会話に全くユーモアがない人…
周りの雰囲気を読めずに自分の意見だけを主張する人、相手の話を聴けない人、上から目線で話をする人、人を学歴で判断する人…
昼休みは一人で過ごし、仕事が終われば早々に帰宅する人、誘っても職場の仲間と食事や飲みに行くこともなく、仕事以外の会話が無い人…
常日頃その様な態度でいる人は、いくら難しい資格を沢山持っていようとも、いくら高学歴であったとしても、それ以前にその者自身が周りに受け入れられることはないだろう。
一方で、「コミュニケーション力」「折衝力」ばかりが目立ち、誰とでも上手く接することが出来る人物はどうであろうか…
それに加えて、自分の得意分野を持ち、従事する仕事の知識や技術は長けていなくては、単なる“お調子者”である。
要するに、その辺りのバランスが良い人を、私は“頭の良い人”だと思う。
またそれは、“世渡り上手”な人物指しているのではない。
そもそも、周りに“世渡り上手”と映ってしまうような振る舞いをすること自体が“頭が良い”とは言えないと思う。