私は自分で“長所”だと思っていたことが、いつの間にか“短所”に変わってしまったということが多々ある。
まずは髪の毛…
中学の頃、髪が薄い友人がいた。
彼はプールに入ることや、雨に打たれて濡れることで、髪の毛が薄いことが目立ってしまう事を非常に悩んでいた。
一方で私は、自分は髪の毛が多いのだと友人に自慢して、時には自らの手で髪を掴んで何本か抜いて見せるというバカな芸当もしていた。
そんな私が、自分の髪の毛の異変に気付いたのは、それから間もなく19歳のある日のことだった。
それ以降、様々な努力を重ねた。
お金も掛けて、髪が生えると謳われる育毛剤やシャンプーを色々と購入した。
様々な書籍も購入し、頭皮マッサージやら食事、生活習慣も研究した。
しかしそれらは全て虚しい結果となり、あれよあれよという間に、世間・一般的に“ハゲ”と分類される有様に至ってしまった。
私は視力にも自信があった…
視力検査では常に1.5か2.0…。
学生時代、特に自由になった大学の頃は、散々テレビゲームに明け暮れたが、それでも視力が衰えることはなく、周りに自慢していた。
それが、30歳半ばになり、仕事でパソコンを多用するようになってから、急に視力が低下して来たのだ。
最初は妻に「最近車の運転が危ないよ」と言われたのだったが、自分ではその理由が分からなかった。
判明したのは、定期健診での視力検査だった。
昨年まで視力が良かったのに、突然下がったので、病気ではないかということで、眼科で精密検査まで行ったが、いわゆる近眼になっただけのことだった。
私は急きょ30歳半ばからメガネを使用するようになってしまった。
よって、物心が付いたことの、私の子供達にとって「パパ=メガネ」であり、私の似顔絵を描いてくれる時も、顔の輪郭を描いた後、直ぐにメガネを描く作業に取り掛かる。
それを見る度に、メガネを着用していることの、人に与える印象の大きさを感じる。
次に、40歳にして体型に変化が表れた…
私は学生時代から、どんなにたくさんの食事をしても太らないことが自慢であった。
テレビに出演するほどではないが、どちらかというと大食いの部類に入っていたと思う。
中学生の頃から、店屋物は最低2品注文するのが実家の習慣であり、その後も定食屋やレストランでは必ず二人分のメニューを注文する癖が付いていた。
ラーメン屋でも、カウンターに座ってラーメンを2種類と餃子を注文するので、初めて入った店では必ず注文が間違いでないかと確認をされたものだ。
さすがに30歳を過ぎてからは、それほどの量を食べられなくなったが、好きなものを好きなだけ食べて、太らないことを周りに自慢して来た。
それがどうであろう…
40歳になった途端、突然お腹周りに贅肉が付き始めたのだ。
この変化は、履いていたズボンが履けなくなる、着ていたワイシャツのボタンが閉まらなくなるという、非常に分かり易い現象で判明した。
その後も、洋服はどんどんサイズアップし、下着やズボンはついに「XL」にまで行き着いた…
痩せる本を買い漁って知識を沢山得たものの、若い時ほどとまでは言わないが、肝心の食欲は一向に衰えない…
そして50歳の私は…
そして50歳を迎えた今、私が若い頃から、絶対に成りたくはなかった将来像…
「大人の3点セット」に私自身がたどり着いてしまった…
その3点セットとは…
「ハゲ」「メガネ」「デブ」…
残念無念…
(おしまい)
本日もお読みいただきありがとうございます。