春雨☆サラダ

50歳 2児の父‼️ 好きなものはハードロック、JAZZ、ゴルフ、カメラ、ラグビー、バーボン、芋焼酎、中村あゆみ、高崎晃、ランディローズ、前田日明、田村潔司… 愛読書は北方謙三… 一番大切なものは、晩酌と子供たちとの時間!

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緊張していたバスへの乗車

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

 

 

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 これは、私が初めて親元を離れ、一人暮らしを始めた頃の話です。

 

 今のように、電子マネーICカードではなく、現金決済が主流の30年前の話です…

 

(それでは本文)

 

 私は見知らぬ土地でバスに乗ることが苦手でした…

 

 それは運賃の支払い方法が、その街々やバス会社によって異なっている上に、全てが現金支払オンリーの世界だったからです。

 

 私が生まれ育った街では、バスは後部にある扉から乗り込み、小さな箱から出て来る乗車券を受け取ります。

 

 乗車券には乗車番号が書かれており、停留所を通過する度に変わる前方の料金表を見て、降車する際には、その金額を運賃箱に投函して前方の扉から降りる仕組みでした。

 

 この運賃箱へ投下する金額は、乗車賃ピッタリでなくてはなりません。(当たり前ですが…)

 

 足りない場合には不足料金が表示される一方で、過剰に支払ってしまった場合には、お釣りは戻って来ません。

 

 よって、初めての場所にバスで行く際には、バス前方の料金表を見ながら、手元の小銭を数えて、ドキドキしていたものです。

 (今では、簡単にネットで料金を調べられるので、現金でも苦労しませんね!)

 

  

 その様な環境で育ち、他の街に転居して更に私を苦しませたのは、前方の扉から乗車するスタイルのバスがあることでした。

 

 その場合、運賃箱に乗車料金を投下してから乗車するのですが、幾ら投入すれば良いのか分かりません…

 

 更に、乗車時点では運賃を支払うと夢にも思わず、小銭もそれ程持ち合わせていませんでした…

 

 ところが、前の人達は次々に乗車し、何がしかのお金を運賃箱に投下し、お釣りが出て来るのを受け取っている人もいました。

 

 多分、均一料金内で運行するバスなのでしょうか…

 

 人にモノを尋ねることが苦手な小心者の私は、慌てふためきながら、運賃箱の前でオロオロとしていました…

 

 運転手さんにすると、良く遭う手の掛かるお客の一人なのか、丁寧に説明をしてくれ、私はその指示に従い無事にバスに乗り込むことが出来ました…

 

 そこから先は、頭が真っ白となって余り覚えていません…

 

 後ろに並んでいた人達の視線がひどく気になりました…

 

 乗車中も、終始周りの人達の視線を過剰に感じてしまいました…

  

 そして時は流れ…

 

 今では、ICカードで乗り降り出来るので、私にとってはストレスの無い、夢のような時代が到来したように思えます。

 

 私の様な、小心者で田舎者がそんな「あの日」を思い出した本日でした。

 

 

isaoitsuyo.hatenablog.com

 


 


 

 

(おしまい)

 

 本日もお読みいただきありがとうございます。