子供たちが小さかった頃、一緒にスーパーマーケットに行くと、入った途端「あるコーナー」に向けて走り出す。
我が家に限ったことではないだろうが、それはお菓子コーナーへ向けての“疾走”なのである。
長男については、既にお金の価値を知っているので特に心配することはないが、お金の感覚を全く持たずに、まさに思いのまま、本能のまま欲しいモノを手にしてしまう長女については注意が必要である。
一度欲しいと手にしたお菓子は“親の説得”というものには応じず、それ以上に魅力的な代替品を提示しないと手にしたものを手放すことはない。
また、無理やり取り上げた場合には“店内で泣き叫ぶ”という展開になることも覚悟しなければならない。
また、お菓子コーナーにあるものだからといって油断してはならない。
昔はお菓子に“おまけ”がついていたのが、今や“おまけ”がメインで、お菓子はラムネ1個と言う、いわゆる“食玩”が多いからである。
それらは平均で300円前後の値段であり、本格的なものになると500円近い値段も覚悟しなくてはならない。
いくら私の妻が新聞広告を見比べて、必要な生鮮食品類が1円でも安く買えるスーパーを探したとしても、食玩の購入によって、それは一瞬にして徒労に終わる…
更にやっかいなのは、それら“食玩”は、大抵シリーズものになっており、一つ買ってしまうと、大体5種類くらい買い揃えないと、最終形態が完成しない仕組みとなっていることだ。
一度そのシリーズを買ったら最後、スーパーに行く度に、子供たちは欠落しているものを買い求め、全てが揃うまでそれは続くのだった。
またそれら食玩の内容も、値段が高いだけあって、もはやお菓子の“おまけ”とは言えないレベルのものである。
男の子のものは、完全にプラモデルに近く、その組立に労を要する…
また、女の子のものも、小さなシールを沢山貼るものが多く、細かい作業を苦手とする私の指先には苦痛でしかない。
1円でも安いものを買い求める、親の気持ちも知らずに購入される“やっかい”な食玩…
でもね…
今では大きくなって、食玩なんて買わなくなり、ましてや長男が一緒にスーパーに行くことなんか無くなった最近…
妙にあの時、一緒になって食玩を組み立てていたことが懐かしく、 お金は掛かったけど、良き思い出となっていることに気付かされた今日この頃です…