私は音痴だ。
加えて、声の音域も非常に狭い。
カラオケに行っても、高い声が出ないために1音程度下げると、今度は低い声が出なくなってしまう。音域が狭いため、自ずと歌える曲は限られる。
よって、私の“持ち歌”とは、一般的な人の“十八番”とは異なる…
好き嫌いに関係なく、それしか歌えないのだ。
その数少ないレパートリーを歌ったとしても、私は微妙に音程が外れているらしい。
テレビ番組でタレントが思いっきり音を外し、笑いを誘うようなものがあるが、私の場合、所々音程が外れて全体的に変なものとなる為、周りは笑えない正真正銘の“音痴”に入ってしまうのだ…
それを正面切って指摘してくれるのは、妻や子供達だけ…
カラオケに行っても中々マイクを持たない私に、歌うことを熱心に勧めて来た人達は、私の歌が終わると、他の人以上にとても大きな拍手をしてくれる。
気を遣ってくれているのだろうが、それがまた心に痛い…
その後、歌うことを勧められることは無くなるのだが、私としても気まずい雰囲気を作ってしまい申し訳なく思う。
この気持ち、音痴にしか分からないだろう…
カラオケで自分のお気に入りの歌を、声を張り上げ気持ち良さそうに歌う人を見ると、とても羨ましいが、こればかりは練習で克服出来るものではないと思う。
自分では音程が外れているとの認識が無く、“合っている”と思い歌っているからである。
他の音痴の方々は、カラオケなどでどの様にしているのだろうか…
私の経験則では「ボク、歌が下手ですから…」と言っても、それで断ることが出来た例(ためし)はない…
遠慮しているものと受け取られ、却って勧めて来るのだが…